鬼畜王子の飼育方法
「こちらこそ、バイト先ではうちの美希が迷惑をかけてるみたいで…」
ってオイ夏生、お前もかい!
なにお母さんごっこしてるんですかアンタらは。
そして次の瞬間。
志季はとんでもないことを口走りやがった。
「いや。相澤は本当によく働いてくれてるよ。彼女はうちの店のマスコットだから」
「……」
…言葉が出ません。
しかも心なしか、棒読みに聞こえるんですけど。
鳥肌の立つ腕をさすりながら、志季を盗み見る。
「…!」
笑った。
今こいつ、笑ったよ。
ニヤッてしたよ。
……恐ろしい。
この先待ち受ける恐怖に、私は一人体を震わせたのであった。