鬼畜王子の飼育方法


ムカつく。

むしょーにイライラする。

私にだけそんな態度ってことは、それだけ私のことが嫌いってこと?

それとも、単に見下してるだけ?

どちらにせよ、不愉快極まりない。
人権侵害に値するよ。





「とりあえず、何か食おっか」



オレンジ先輩の声で、ハッと我に返る。

いけないいけない、つい眉間に皺を寄せてた。



「二人共、何が食べたい?」


今日は俺らのオゴりだから!
そう言って、オレンジ先輩が笑いかけてくる。

…優しいなぁ。

志季とは大違いだ。

志季にオレンジ先輩の爪の垢でも煎じて飲ませてあげたいくらい。



「私は何でも…てゆうか、お金は自分で出しますから!」


「いいって。初デートってことだし、ここは俺らを立てといてよ」


「でも…」


オレンジ先輩が夏生にオゴってあげるなら分かるけど、私と志季はつきあってるわけじゃないし……。

なにより、今のコイツにだけはご馳走になりたくない。


< 121 / 294 >

この作品をシェア

pagetop