鬼畜王子の飼育方法
ムカつく。
むしょーにイライラする。
私にだけそんな態度ってことは、それだけ私のことが嫌いってこと?
それとも、単に見下してるだけ?
どちらにせよ、不愉快極まりない。
人権侵害に値するよ。
「とりあえず、何か食おっか」
オレンジ先輩の声で、ハッと我に返る。
いけないいけない、つい眉間に皺を寄せてた。
「二人共、何が食べたい?」
今日は俺らのオゴりだから!
そう言って、オレンジ先輩が笑いかけてくる。
…優しいなぁ。
志季とは大違いだ。
志季にオレンジ先輩の爪の垢でも煎じて飲ませてあげたいくらい。
「私は何でも…てゆうか、お金は自分で出しますから!」
「いいって。初デートってことだし、ここは俺らを立てといてよ」
「でも…」
オレンジ先輩が夏生にオゴってあげるなら分かるけど、私と志季はつきあってるわけじゃないし……。
なにより、今のコイツにだけはご馳走になりたくない。