大人の恋がしてみたい

「あの、店長」

桃川が聞いてきた。
「なんだぁ?」


「良かったら、店長も一緒に行きませんか?きょう、あたし達と同じ、早上がりですよね?」


俺は凄く ドキッとした。

桃川が、俺を誘うなんて思ってもみなかったから。

けど


「わりぃ。きょう、明日の会議の準備があるんだ」

本当だ!


「だから、行けそうにないなぁ~」


残念だ!



「そうですかぁ…」


残念がってる?


「………ライブは、何時まであるんだ?」

「えっと…8時くらいまで…だよね?健吾」


健吾?呼び捨てなのか…。


「そうなんですよぅ~店長。由香里が亮のバンドで歌うんですよぅ。
だから、俺達、一緒に応援に行こうって
話してたんです。

なっ♪」


「うん。店長も、もし時間が空いたら来て下さい。

由香里達も、喜びますから。」

「そっかぁ~じゃあ、なるべく行くようにするな」


「はい!良かったです」

そう言って

お前が笑うから

俺の心が

お前を求めるんだよ。

気付いてないだろうなぁ~ハァ。



「店長、店長。」


「あっ?」

気づいたら、坂崎が俺の隣りにいた。

「店長ちょっと来て下さい。お客様が商品の事で聞きたいそうで…」


「分かった…すぐ行く」


俺は、食べかけの弁当に蓋をして


後ろ髪を引かれながら

休憩室を後にした…。




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