【実話】ただ、普通の幸せがほしかった
練習で学校の周りを走ってる時、

先輩達やみんなが見ていない時に、

ひじをぶつけてきたり、わざとぶっかってきた。


「どいて、邪魔!」

「…ごめん」


キャッチボールでも、至近距離で私の顔をめがけて、
おもいっきりボールを投げてきた。


「ねぇ、ちゃんと、とってよ!
キャッチボールもできないの」


「…ごめん
でも、距離も近いから、もう少し…」


「何?言い訳しないで、逃げるのが悪いんでしょ!」


「・・・・・」


悪くもないのに、
あやまらなきゃいけない自分が悔しかった。


でも、そんな時、
由紀は、いつも勝ち誇った顔で、私を見ていた。


そんな顔を見るたび由紀が憎くて、憎くてしょうがなかった。


「由紀さえ由紀さえいなければ…
でも、負けたくない、逃げたくない」


日に日に強くなっていく由紀への気持ち、時には、殺意さえ覚えた。


でも、私には、そんなことできなかった。


そして、とうとう自分の気持ちを抑えられなくなった…。
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