【実話】ただ、普通の幸せがほしかった
歩いていたら、
いつも、お父さんが仕事帰りによっている小さな居酒屋をみつけた。


お店の中からは、
お父さんの声が、
聞こえてきた。


「このままじゃ、帰れない…

帰りたくない…

わかってほしい」

そう思い店の中に入ると、カウンターの一番奥の席にお父さんは、座っていた。

ゆっくりと近づき声をかけた。


「パパ、未央だけど久しぶり」


「未央…?」


お父さんは、一瞬、戸惑いながらも、声と面影で私だと気づいてくれた。


「未央、お前、どうしたんだ?」


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