時を越えて君に
「これを見たまえ」




そう言って茜は一冊の本を見せてきた。




(簡単!お菓子づくりぃ?)




茜の見せてきた本はお菓子の調理本であった。



見るからに料理と無縁そうな茜からは、あまりにもイメージにそぐわないので、湊は首を傾げた。




「何でこれを?」




そうたずねると、茜は目をキラキラと輝かせ、その本のページを開いていった。



次々においしそうなお菓子の写真を見せ、それこそ満足そうな笑みを浮かべる。




「………で?」



「む………。


武藤先生にはこれの良さがわからないのですか?」




(誰が先生だ!!)




茜は心底不満そうに口をとがらせた。
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