時を越えて君に
宿題をバッグに詰め込み、湊はアパートから出た。



そして、アパートの駐輪場に向かい、錆び付いた自転車にまたがる。



今更ながら思うが、最初からそうしておけばよかったのかもしれない。



世の中には図書館と呼ばれる、冷房のきいた環境があるのだ。




何故気づかなかったのか。




…いや、気づいていたのだ。



ただ、あまり行きたくなかったのだ。




湊は何となくだが、図書館に行けば、会いたくないやつがいるだろうと察知していた。
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