妹なんていらない
「は?」




俺は口をポカンと開けながら、雨宮を見た。




「その子は、周りの大人達に構ってもらえずいつも家で一人ぼっちでした」



「お、おい…」



俺の言葉なんて聞こえていないのか、あるいは無視しているのか、雨宮は言葉を続けた。



顔は相変わらずうつむいたままだ。




「その子はいい子にしていれば、誰かがいつか構ってくれる、自分を見てくれる時がくると思っていました。


その子は毎日、毎日、いい子を演じ続けました。

いつか、いつか、と。


一途に思いながら、その時を待ちました。





…けれど、その時はいつまでたってもきませんでした」




ふいに雨宮の声が小さくなった。



何だ。



こいつはいったい何の話をしているんだ。
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