妹なんていらない
「その子はこう思いました。


いい子って何だろう。

自分って何だろう。



その子はあまりに長い間偽の自分を演じ続けるあまり、自分がわからなくなっていたのです」



「…………」




いつの間にか、俺は雨宮の話に聞き入っていた。



誰かに自分を見てほしい。


構ってほしい。


いい子を演じる。


偽の自分を演じる。




その全てが、俺が一度も考えたことのないことだった。



だから、興味が湧いてきたのだろうか。




「自分がわからなくなったその子は悩みました。


いい子って何。

そんなの何も意味がない。

だったら今まで何のために。



その子は悩むあまり、心が壊れそうになっていました」
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