妹なんていらない
あーだこーだと言い合った挙げ句、立っているのに疲れたのか、美波は俺の横(少し距離あり)に座った。



さりげなく舌打ちする意図は、もっとそっちによりやがれこのクズ、だろう。





………誰がクズだ。



「お前、泳がないのか?」



「泳ぐ意味がわからない」



ふいに千鶴がはしゃぐ姿が目に入った。



母さんと二人でビーチバレーをしているようだ。


ちなみに勇人は一人で黙々と泳いでいる(なんて寂しいやつ)。



雨宮は………いい、放っておこう。




「意味がわからないってお前…」



「あんただって泳いでないじゃない」



「そりゃそうだけどよ、お前は運動神経いいわけだし、泳ぎが苦なわけじゃないだろ」
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