妹なんていらない
「はあ………」



浜辺にシートを敷き、その上に寝転がる。


さっきの美波じゃないが、俺だって涼しさ恋しさに海に入ろうだなんて思わない。


誰もが経験したことがあるだろうプール後のだるさ。


あんなだるさをこの時期に感じてみろ。


だるくて睡魔に襲われ家に帰った俺はベッドに直行だ。


こうして夏の模試で偏差値を1ずつ下げるのだ。



「あんた…気持ち悪い」



「うおっ!?」




唐突に美波に顔を覗き込まれ、俺は飛び上がった。



「海で焼いてモテモテな体になろうってわけ?

うわー、ひくわー」



「俺はお前の勝手な妄想にひくわ!!」



「だいたいあんたなんかがモテるわけないでしょ」



「ストレートすぎるわ!!

思いやりをもて!!
思いやりを!!!」
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