妹なんていらない
「泳げたら何?

えらいの?えらいわけ?
ねえ?ねえ?ねえ?」



「あ、いや…別にえらかないが…」



「そうよね。
あんたもたまにはいいこと言ったわ」




美波にほめられたらしい。



いや、まったく嬉しくないが。


てか、たまにはって…




「あれぇ?
高橋くん泳がないの?」



今までどこに行ってたのやら、雨宮は何故か肩に浮き輪をかけていた。



さぞかし自分の体に自信があるのだろう。



腰に手をあてて立つ姿はたしかにモデルさながらだった。




「お前、今までどこに行ってたんだ?」



「決まってるでしょ〜。

優しい私は美波のためにこれを調達しにいってたの♪」




そう言って掲げるのは浮き輪。



………いや、何で浮き輪?
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