妹なんていらない
「ててて………

あのなぁ………」




頭を押さえながら美波を見た。



どうゆうわけか、今度の美波は梯子を立て直していなかった。



少し焦った表情で、俺の顔を睨んでいた。




「な、何だよ…」




「あ、あれはラブレターなんかじゃない…」




嘘つけ。


明らかに動揺してるじゃねぇか。




「何だ何だ?

お前、今さらラブレターくらいで何焦ってんだよ」



「だからぁ…ら、ラブレターなんかじゃ………」



「告白の話なら聞いてんだよ。

ラブレターの何を恥ずかしがる必要があんだ?」




多分、勇人が言ってた美波に告った男、記念すべき百人目のやつからのラブレターなのだろう。



でも、振ったやつからのラブレターを必死に隠すだなんて、一応相手のこと気遣ってんのか?
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