妹なんていらない
翌日、学校へと向かう俺の足取りは重かった。



多分、それは美波と雨宮も同じだったと思う。


現に、二人は俺の重い足取りにすら遅れていた。


少しずつだが、二人と距離ができていく。




けれど、俺はそれに構ってられる余裕はなかった。



思わず笑いそうになる。


俺はこんなに小さいやつだったのか。



自分のことで精一杯。


周りに気遣いなんて全くできない。



本当に…ガキだよ、俺は。





      ◇




授業の内容なんて全く頭に入らなかった。



ずっと、ぼーっと窓の外を見る。



千鶴はどうしているだろうか。


泣いてはいないだろうか。


ちゃんとご飯は食べているのか。


眠れているのか。




想像は次々と浮かんでは消え、浮かんでは消える。
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