妹なんていらない
待て待て待て待て。



これはどうゆう展開だ?




フェイントにフェイントを重ねたドッキリか何かか?




ならばカメラはどこだ。



プラカードはどこだ。




早いとこ『ドッキリ大成功』のプラカードが現れてくれないと俺の精神状態が危うい。




くそ、美波のやつ、まだ演技を続けるつもりか。



相変わらず絶望したような顔し…






その瞬間、俺の中で何かが繋がった気がした。




「これ…お前宛てじゃなかったのか………?」




しまった、と思ったときには遅かった。



美波はハッとして顔を上げると、まず俺を見た。



そして、手紙。



また俺。



また手紙。




………最後にはうつむき、体をぷるぷると震わせ始めた。
< 28 / 317 >

この作品をシェア

pagetop