妹なんていらない
勇人はペットボトルを片手に俺と同じように空を見上げた。




「正直な、俺には雨宮にとっての、お前にとっての優しさってやつがわからん」



「まあ、お前に期待するだけ無駄らしいからな」



苦笑いしながらさっきの勇人の言葉を思い出す。


自分で自分に期待するだけ無駄だと思っているこいつはちょっと情けないやつだと思うんだが。




「………だがな、雨宮の言う、大人になりたくないってやつはわからんでもない」



「………え?」




勇人は自分の金髪をいじりながら珍しく複雑そうな表情を浮かべた。




「俺が何でこんな髪にしているか分かるか?」



「馬鹿だから」



「ストレートに言われるとなかなか傷つくな…

成績は俺の方がいいということを忘れるなよ?」



今度は少し顔をひきつらせた。


珍しい。


基本、こいつは慌てたり戸惑ったりすることがないやつなのに。




「これはな、俺が唯一した反抗なんだよ」



「反抗………?」




反抗、と言われ、何となく反抗期に結びつく。



しかし、こいつが反抗期だなんて想像ができないんだが。
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