必要性

「琶乃」



もう一度、彼にゆっくり呼ばれ、私はおずおずと顔をあげた。



モウ、ニゲラレナイ――…



「んっ…」



ゆっくりと、でも深く彼と口付けを交す。何度も何度も角度を変え、互いを口先で求める。



キスに夢中になっているうちに、彼が私の羽織っていた浴衣をゆっくりと床に落とした。



離れていると、見られてしまいそうで、私は更に彼に密着した。

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