必要性

「……………っ!」



鏡に映し出された私の背中には、



右肩から左腰あたりまでにわたる、深い、一直線の傷が走っていた。



「…おまえ、なんだよその傷…」



いくばくか冷静さを取り戻した彼が、洗面所の入り口に寄りかかりながら、私を睨みつけるように、問いてきた。

< 36 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop