もう一度 笑って

朝倉の素顔

「大輔様、この方たちは?」

「俺の友人だ。気にするな」

「かしこまりました」

図体の大きな男の一人は頭をさげた

「どう? 海に見合いを壊してもらって、気分が良かっただろ?」

朝倉っぽくない朝倉が、笑顔で口を開いた

「何なのよ、これ
説明、してくれるわよね?」

あたしは朝倉に向かって、言葉を投げた

「詳しくは車の中でな」

 にこっと笑った朝倉が、黒塗りの車に乗り込もうとする

図体の大きい男の一人が、後部座席のドアを開けると、朝倉が乗り込んだ

「んじゃ、俺はこれで」

「え?」

背を向けて歩きだそうとする海に、私は振り返った

「ここからだと、智世の病院が近いから」

「朝倉と二人きりにする気?」

「だって詳しい話を聞きたいんでしょ?」

「聞きたいわよ!
でも朝倉と二人きりは嫌よ」

「あはは
二人きりじゃないよ
だってボディガードと運転手が乗ってるから
大丈夫
朝倉は良いヤツだよ」

海はにっこり笑ってあたしの肩を叩くと、駐車場のエレベータに向かって歩いてしまった

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