先生なんかじゃない
にーって笑って、そのまま私を抱え上げる。
澄んだ空が近くなって、視界にはピンクの花びらが広がって
「ちょっと!おろしてー!」
お祝いにキスしてってせがむから、私は周りを気にしながら瞬間的に吏惟くんの頬に口づけた。
誰かに見られないかって、私はそっちが心配だったのに
吏惟くんは大声で
「おいっ!キスって言ったら普通口だろ!子供じゃねーんだから!」
「な、なに言ってんのよっ!!」
私が恥ずかしさで半分怒った顔をすると、吏惟くんはガシッと私の顔を捕まえる。
「思ったことは言う!やりたいことはやる!そういう性格、わかってんだろ?」
「んぐっ、だ、から…ちょっ、と」
か、顔がぁ〜
痛いってば!
もがく私を無視しながら、吏惟くんはぐっと一層顔を近づけて
「彩夏はほんとにガキだな…。オレが大人にしてやる」
「…っん!!!」
気持ちもキスもストレート。
今日はなんのお祝いだっけ。
周りからもらう拍手は、一体何!
「もぉっ!」
「オレはもうここに用はないし。まったく平気♪」
「わ、私は明日からもここの先生なんだからねっ!」
甘くて暖かい風が通り抜ける。
私の新しい春は、嬉しさと恥ずかしさでまた始まった。
END
