†Wind†
なんて思っていたら…
藤内の顔はアタシの‘口’ではなく…
耳の方にスルーされた。
変な勘違いをしていた自分が恥ずかしくなった。
そして
「いいかぁ?耳穴つっぽじってよーく聞いとけ。」
と小声で囁く。
藤内の低い声のトーンと、しゃべる度に耳にかかる吐息が、アタシの耳をくすぐる――。
そして次の瞬間――
「俺はお前に興味ねぇし、だからお前をガン見する意味がねぇんだよっ!変な勘違いするなバーカ!!」
耳の真ん前で大声をあげられた。
思わず悲鳴あげちゃいそうになっちゃった…。
あー!!耳が痛い!
「うるさぁーい!!ばっかじゃないの?!耳痛いよ。」
「ふっ…ははは。つーことだからよ。」
「つーことって…何よ。」
「は?あんだけデカい声で言ったのに、聞こえなかったのか。」
「ちがっ…」
「じゃーもっかい大声で言ってやろーか?」
「もーいいよー!!」
「ふっ…まっ頑張れよー
勘違い屋の
野川さん」
そう言ってがに股歩きで去って行く藤内。
それを見送るアタシ――。
って違うよ!!
‘勘違い屋の野川さん’…?
勘違い屋……?!
野川さん…?っていつの間に名前覚えたの…?!