ツンデレ彼女を監禁して


「あんたみたいな奴でもね。好きになる『ばか』はいるのよ」



確かに聞いた、その声


何を言っているのか


――いや、意味なんて理解していたが

ただ有り得ないと、その真意を否定した


けど


「その『ばか』はね。どうしようもなく、あんたが好きで……。でも、どうしていいのか分からないのよ」


鞄を押し付けられたまま、語られる『ある奴』の話


「おしとやかに、可愛く。そう『彼女』としての相応しいことをやろうとするけど……。あんたの前じゃ、つい本性が出てくんのよ。

自分の部屋にいるように、あんたの隣りはすっごく落ち着くから。自分を偽れないし。なのに、気持ちを見せられない」


一体、彼女はどんな顔で語っているのか


どんな想いで、それを打ち明けているのか


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