きみ
「じゃ、やめとく」

「わかった。怒らないから」

君が急に私を抱きしめた。

ビックリしたよ。

「ごめんな。助けるの遅れて。とゆみ、凄く怖かったよな」

「うん。凄く怖かったよ。すっごく、すっごく。てか、したの名前で呼ばないでくれる?」

「ごめん。てかそれ今言うか」

「ごめん。今言いたかったから」

「あぁ、そう」

「吉川ぁ、矢田ぁ」

「榎岸先生。本田先生」

「大丈夫か?何もなかったか?」

「はい。何もありませんでした」

「矢田。お前何もしてないだろうな?」

「なんもしてないっすよ」

「本当かよ」

「本当ですよ」

「お前らの班のやつは、先に学校に帰ってるからな」

「はい。心配かけてすみませんでした」

「どうなるかと思ったよ」

「すいません。矢田。矢田。私がレイプされそうになった事、誰にも言うなよ。」

「あぁ。言えるわけないじゃん。2人だけの秘密だな」

「うん。裏切りなしだからね」

「はい。はい」

「本当にわかってんの?」

「わかってるよ!」
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