きみ
私が1段下がり、君の足の間に入り、君は首の方から手を回し、洋服の中に手を入れたよね。
君は耳元で

「とゆみ可愛い」

って言ったよね。
私は手を入れられた事よりも、可愛いって言われた事よりも君と、あんなに近づけた事が嬉しかった。
しばらくして私は君の隣に戻った。会話する事もなかった。たった30分程の短い時間だったけれど、とても長く感じいろいろな事を経験した。

その夜電話で君が

「今日どうだった?感想を」

「感想!?」

「うん。感想」

「特にないよ」

「ダメ。言って」

「だって特にないんだもん」

「じゃ何が1番良かった?」

「いや別に何も」

「ダメ。絶対何かある」

こんなやり取りをしていた。
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