きみ
「山下公園行くか」

「うん。でも、ここ何処か知ってるの?」

「知らない。どうにかなるだろう」

「頼りないんだけど」

「大丈夫だって!俺に任せろって!」

「…。」

「あ、これ着てろよ。そんな格好じゃ、やだろうから」

っと学ランを渡してくれた。まぁ制服のボタンを全部外され、ワイシャツのボタンもなかったら、そーゆう事言うのもわかるけど…

矢田。こんなひねくれた事しか言えないけど、実はね。本当はね。(凄く怖かった。)ってそー言って甘えたかったんだ。ごめんね。素直じゃなくて。

「いいよ。矢田が寒いでしょう?」

「大丈夫。学ラン着てると熱いんだよ」

「でも…」

「ここじゃねぇ?」

「あぁ。ここだ」

「お前あそこ座ってろよ」

「えっ!」

「いいから」

「うん」

あいつ。何処行ったんだ?
つか、これから先どうすればいいんだろう?皆ともはぐれちゃったし。

「お待たせ。はい!」

「あ、ぁりがとぅ。これ、買って来たの?」

「見りゃわかんだろう」

「まぁ」

あ、顔怪我してる。さっきのけんかだ。

「俺の顔何かついてるか?」

「ううん。何もついてないよ。ただ、怪我してるから」
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