きみ
抵抗してみたものの、やはりかなうはずがない。

1人はカメラを持っている。

もう1人は私の事をおさえつけている。

あとの1人は携帯で誰かに電話している。

(嫌だ。やめて。嫌だ。)

と思っていた時。

ガラガラ。

「お前ら、何やってんだよ」

「誰だテメエ!?」

「そいつ離せよ」

「何言ってだ」

「その女を離せって言ってんだよ!」

「やんのか。テメエ!」

「やってやろうじゃねぇか!」

矢田!?

何であいつがここに?

やっぱバカだよ。あいつ。

1人で勝てるわけないじゃん。

強くないのに…

「たいしたことねぇな。このガキ」

「あぁ」

「お前らは、あの女やれ。こいつは俺がやる」

「あぁ」

「はぁ。はぁ。いいのかお前ら。もうすぐ警察が来るぞ」

う゛ーう゛ー

「やべ。察だ。オメェラ逃げるぞ!」

「あ、あぁ」

「覚えてろよ!」

「大丈夫か?とゆみ?」

「う、うん」

「ちょっと待ってろよ」

「ぁりがとぅ」

矢田は私の手や足を縛っていたロープをほどいてくれた。
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