桃色ドクター
「香織、正式に……俺の彼女になってくれないか」
唇が当たるか当たらないかの距離で、甘い声を出す。
全身がゾクゾクして、また溶けそうになる。
「はい」
そう答えるのに必死。
声も出せないくらいに、ドキドキしていて、金縛り状態。
「じゃあ、今夜……抱いていいか?」
!!!
ちょっと、ストレートすぎるんですけど!!
そんな質問されて、どんな顔して答えればいいの?
『抱いてください』なんて言えないよ。
キザすぎる!!
「病院の中、今、どうなってるんだろう?」
照れ隠しに話をそらす。
「そんなことどうでもいい」
仁ノ介は、また顔を近づける。
「あのふたり、帰ったのかな?」
「どうでもいいって言ってるだろ?」
仁ノ介のS~!!
思いっきりSの顔して私をにらむように見つめる。