桃色ドクター
「お……任せし……ます」
震える声で答える。
私の頬に顔を寄せる仁ノ介。
朝そったはずのひげが少し生えてきていて、くすぐったい。
「はい、おりこうさん」
私の頬にキスをして、頭をゆっくりと撫でる。
愛してます。
あなたを愛してます。
「じゃあ、病院の様子見に行ってくるから待ってて」
立ち上がろうとする仁ノ介の腕を掴む。
怖かった。
あのふたりにさらわれてしまうんじゃないかって。
私だけのものにしたい。
誰にも渡さない。
私の仁ノ介。
「どうした?心配なのか?じゃあ、くっついてていいよ」
私はそんなキャラじゃないのに、仁ノ介の腕にくっついて甘えていた。