桃色ドクター



「お……任せし……ます」



震える声で答える。



私の頬に顔を寄せる仁ノ介。


朝そったはずのひげが少し生えてきていて、くすぐったい。




「はい、おりこうさん」




私の頬にキスをして、頭をゆっくりと撫でる。




愛してます。

あなたを愛してます。




「じゃあ、病院の様子見に行ってくるから待ってて」



立ち上がろうとする仁ノ介の腕を掴む。



怖かった。

あのふたりにさらわれてしまうんじゃないかって。


私だけのものにしたい。


誰にも渡さない。


私の仁ノ介。



「どうした?心配なのか?じゃあ、くっついてていいよ」



私はそんなキャラじゃないのに、仁ノ介の腕にくっついて甘えていた。







< 205 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop