桃色ドクター



仁ノ介の腕にくっついたまま、ゆっくりと歩く。



「あれ?誰もいないなぁ」



病院の鍵が閉まっていて、中は真っ暗だった。



ふと車の方を見ると、ふたつの影が並んでいるのが見えた。




「やあ!お待たせ!」



仁ノ介のばか~

ちょっとセリフが軽いよ。



そんな雰囲気じゃないことはわかってるくせに。



「どこにいたの?待ちくたびれたわよ」


由美子さんは腕組みをして、あきれたように言った。


寄り添うように受付嬢が立っていて、何だか笑いそうになってしまった。





< 206 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop