桃色ドクター
この人は、仲良くなればなるほど、いろんな声を聞かせてくれる人。
これ以上、知ると・・・
私は、瀬名先生のことしか考えられなくなる。
今なら、まだ間に合う。
もう、これ以上知らない方がいい。
明日は来ない。
もう、一生この病院には来ない。
「もう、治ったので明日からは来ません」
私は、目をそらしながら言った。
まるで、ふてくされた子供のようにすねた顔をしていただろう。
きっと、瀬名先生はわけのわからない女だと、私を嫌いになる。
「あはは、あなたは、面白い人ですね。私に何を言わせたい?」
ドキドキは最高潮に達していた。
だって…
瀬名先生のバカ。
今、初めて敬語じゃなかったじゃん。
『何を言わせたい?』って言った時の顔は、まるで、彼氏のように…
とても優しくセクシーだった。
「腰に手を当ててくれる人がいないなら…明日も来なさい」
ドッキーン!!
今度は命令口調?
来なさい…だなんて。