桃色ドクター
コートを持った左手は、私の腰に添えられていた。
ちゃんと腰を気遣ってくれるところ、さすが医者だね。
でも・・・だめだよ。
患者の心をもてあそぶなんて。
「ごめん。俺はもう、恋はしちゃいけないんだったな」
「はい。瀬名先生は春に結婚するんです」
ドキドキして声が震えているのに、まだ強がる私。
瀬名整形外科っていう看板の明かりが、瀬名先生と私を照らしていた。
でも、周りの目なんて気にならなかった。