桃色ドクター
こんな告白をされるのも生まれて初めてだった。
口先だけじゃない。
心からの言葉だと伝わってくる告白だった。
まさか自分にこんなドラマチックな出来事が起こるなんて。
平凡な人生だと思っていた私の人生は、あの日から変わってしまった。
「でも・・・君の腰は治ってしまった。だからもう会う理由がない。どうする?」
「私は不倫は嫌です。やっぱり婚約者のいる人をこれ以上好きでいることはできない」
気が付くと、私は泣いていた。
こんな風に自然に涙が流れることも初めてかも知れない。
今まで雅也の前で嘘泣きはいっぱいしてきたけど。