粛清者-新撰組暗殺録-
「!?」

突然背中に激痛を覚え、伊東はその場にガクリと跪く。

「な…?」

愕然とする中、振り返った伊東が見たものは…。

「近藤!?」

伊東の背後にいたのは、近藤勇、土方歳三、永倉新八ら新撰組の面々だった。

「ば…馬鹿な…何故…私はこれから…薩摩の志士と…密会に…」

言いかけて伊東はハッとする。

新撰組の集団の中に、斎藤一の姿を確認したからである。

「そ…うか…斎藤…貴様…間者であったか…ならば…この密会の…話…も…」

「冴えぬ遺言であったな、伊東」

近藤は愛刀、長曾禰虎徹の刃を返す。

「新撰組の隊規の為だ。お主にはここで倒れてもらう」

最早動けない伊東の肩口に、虎徹が振り下ろされた!

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