粛清者-新撰組暗殺録-
「実は山崎には少々デカイ仕事を頼んでいてな…だからこちらの方は、山崎の次に諜報活動の得意なお前に頼みたい」

「…わかりました」

斎藤は立ち上がる。

挨拶をした後、斎藤は局長室を出て、早速行動を開始した。

実を言うと、前々から怪しいと睨んでいた隊士の目星はついているのだ。

ただ、尻尾を掴むには少し確証が必要となる。

(さて…だったらまずはどうするか…)

何はさておき、まずはその隊士が今現在どこにいるのか、それを確認する事にしよう。

斎藤は巡察と偽って三番隊の面々を引き連れて屯所を出て、疑いをかけたある一人の隊士の捜索を命じた。

斎藤の命令を受けて、市中へと散っていく隊士達。

「さて…俺はその間に…」

斎藤は屋台の蕎麦屋へと足を運んだ。

そして迷わず店の主人に掛け蕎麦を注文する。

「昼飯がまだだったな…今のうちに済ませておくとするか」



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