粛清者-新撰組暗殺録-
酒井は慌てて立ち上がり、素早く抜刀した。

「冗談じゃない!女一人犯して…しかも未遂に終わったくらいで斬られてたまるかぁっ!」

開き直った酒井は、刀を振り回して取り囲んだ隊士達に襲い掛かる!

死以外に恐れるもののなくなった酒井は、実力以上の力を発揮して隊士達を手こずらせた。

しかし。

「ぐぅっ!」

総司の三段突きが背後から酒井に襲い掛かる!

咄嗟に一撃、二撃目を回避した酒井だったが、流石に三撃目はかわせずガクリと跪いた。

「驚いた…三段突きをかわすなんて…でも」

総司は再び三段突きの構えを取る。

「それだけの技量を持ちながら、夜這いなんて格好悪いですよ、酒井さん」

「く…そぅ…」

酒井はヨロヨロと立ち上がる。

彼は刀を正眼に構え、総司との一騎討ちの姿勢を見せた。

そして両者の渾身の力を込めた一撃が放たれた瞬間!

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