天上のワルツが聴こえる
そして、こと切れた娘をミモザの森に引きずって行って、黄色い花冠をかぶせた。

森で彼女が保護されたとき、娘の亡骸が側にあった。

腐乱した死体といっしょに、森の中で暮らしていたのだ。

「おばあさん…や…めて…」

少女は、朦朧とする意識の中で、迫り来る死をぼんやりと感じた。

駄目だったのだ。

アンドロイドは何も言わなかったけれど、もう、夢を見ることはできなかったのだ。

赤い髪だけが、炎のようにゆらめいた。

少女の意識は、闇の中に沈んだ。

その時、少女の髪が、鞭のようにしなって老婆を打った。

髪は、急激な勢いで伸びて、老婆の躰に巻きついてゆく。

あっという間に全身を覆い、ものすごい力で締め上げる。
< 29 / 151 >

この作品をシェア

pagetop