天上のワルツが聴こえる
少女は、両手で首をおさえてせき込んだ。

へたりこんだ石畳の冷たい感触が、次第に足へ伝わってくる。

「お…ばあさん…?」

やっとのことで眼を開けると、血のように広がった赤い髪が、何かをぐるぐる巻きにしていた。

髪が、ゆっくりほどけ始める。

そして、枯木のようにひからびた、老婆の死体がそこに現れた。

それは、カラカラに乾いたミイラのようだった。

少女は、茫然とその場に座り込んだ。

あまりのことに、声もなかった。

これは一体、どういうことなのだ。

この髪が、これほどまでに強い力を発揮したことはなかった。

どこでどう間違って、こんなことになったというのだ。
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