天上のワルツが聴こえる
「よく聞いてください。わたしは、今、重大な違反をしています。ヒトに奉仕するべき者として、致命的な行為です」

「あたしを聖堂から連れだしたこと?」

「そうです。あなたの身に何かあれば、わたしは全力をつくしてあなたを護ります…。たとえ、それが、わたしの使命に反することだとしても」

「たとえ、それが、使命に反することだとしても…?」

少女は、アンドロイドの言葉を繰り返した。

本来、アンドロイドというものは、与えられた命令には逆らえない。

命令違反は、故障、あるいは暴走であり、すみやかに解体、あるいは再教育(リハビリ)されることとなる。

だから、それは、どんな言葉よりも、重たい一言だった。
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