天上のワルツが聴こえる
小一時間ほどたっただろうか、2人は、周囲の古びた町並みに気付いた。

見回すと、石づくりの共同住宅が半壊して崩れかかっている。

それに、やけにほこりっぽい。

石畳の道に砂でもまいたように、歩くとじゃりじゃりする。

「なんか、廃虚みたいね」

少女が言った。

にわかに天候が悪くなり、霧も出てきた。

アンドロイドも、ここまで来たのは初めてだった。

2人は、つきあたりの路地を左に曲がった。

「あ…街が…」

少女が、つぶやいて立ち止まった。

アンドロイドも同じだった。あまりの衝撃に、その先を見つめて立ち尽くすだけだった。
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