白い天井~恋愛依存症候群~
   *


シーンとして、話し声一つ、聞こえない。

化粧直しも終わり、アタシは洗面所のドアに耳をあてて、いつリビングに出て行こうかと考えていた。


もしかして、アタシの気のせいだったのかな……。


確かに、チャイムも入ってくる物音も聞いたはずなのに。
あまりの静けさに、そう、思えてくる。


アタシは正直、ユウヤのお母さんにヒステリックなイメージを抱いていた。
会ったことはないけれど、話しに聞く限り、口うるさく、過保護極まりない。

ユウヤと、仕事人間のお父さんを、キャンキャンと一人でせっついている、そんなイメージだ。


あまりのことに、口がきけなくなってる、とか?


乱れたベッドを思い出す。
リビングは大丈夫だった、はず。
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