最後に初めまして。
俺は古都に逢ってから意識が飛んだのでその後の経緯を訪ねた。

古都が携帯で救急車を呼び、ヒロに連絡をして俺と一緒に病院に来たらしい。

古都の対応の早さが今、俺がここに居られる事に繋がっているんだと感謝していた。


『登は何故刺された時に救急車を呼ばなかったの?それが分からない。』

「古都はいつも俺の予想を上回るからあの時も待っているかも知れないって思ってたんだ。待たされるのは嫌いだろ?」

『登ってホントにばかでしょ?信じらんない。』


古都はまたいつもの様に頬を膨らませていた。

この仕草が堪らなく好きだった。


「なぁ…輸血してくれたんだろ?そんな事して大丈夫なのか?」

『大丈夫よ。それぐらいしか出来ないもん。』

「ありがとな。俺の体の中に古都の血が流れている訳だ…。この体は大切にしなきゃな。」

『そう…だ…よ。』


この言葉で古都はまた大粒の涙を流し泣き出してしまった。


「古都…今日が契約最後の日なんだろ?」

『………うん。』

「それって延長出来ないかな?あのな…永遠にとか…して欲しいかな。」


古都は何も返事をしなかった。
たださっきから泣いているだけ…。

俺は大きな勘違いをしていたのかも知れない。

古都とはこれからも愛し合って行けるはずと思っていた。
例え離れたとしても気持ちは同じだと。

そんな心に不安が広がっていた。
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