さよならとその向こう側
「さっきの話。…本当なんだ。………佐和田教授のお嬢さんと結婚する事になった。」



言葉が出なかった。


私の想像通りの答えが返ってきたのに、信じたくなくて、信じられなくて…目眩がした。


なんとか、後ろにあるソファに腰かける。



「俺は、最低だ。自分でもよく分かってる。彩夏には申し訳ない事をしてるって自覚はある。だけど……。」



そこまで言うと、実は黙ってしまった。




「今の仕事…大事だからでしょ?大学に残る為に、佐和田教授の話を聞き入れたんでしょ?」




全部、志乃が教えてくれた。



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