さよならとその向こう側
「はぁぁぁーーー。」


私は大きなため息をついた。


平日の昼間。

私の働くインナー専門店はお客様の少ない一番暇な時間帯。

発注もディスプレイの変更も終わり、かなり手持ちぶさた。


そうなると、頭の中には"彼"が現れて私の心を独り占めする。


コーヒー美味しかったな……。

思い返し一人でにやけていると、パコンッ!と頭を軽く叩かれた。


「……おい暇人。早目の昼行こうぜ。」



振り返ると、同期の敦(あつし)が立っていた。



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