幼なじみ〜first love〜
「箱、開けていい…?」




「うん」




水に濡れて、少しグチャッとつぶれた小さな箱。




そういうとこも

蒼らしいというか……




あたしは、ピンクのリボンをほどいた。




「…………」




「…あれ?気に入んねぇ?」




ちがう…ちがうよ




嬉しすぎて…言葉が出ないの…




「……うれ……しぃ……」




「……おまえは嬉しくても泣くんだな…」




箱に入っていたのは、シルバーのリングだった。




あたしは、指輪を手に取り、プールサイドの光に照らした。






“AtoA first love”






指輪に彫られた文字。




「おまえは、俺の初恋だから…。俺の…最初で最後の恋だって思ってる」








“蒼から絢音へ 初恋を捧げます”
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