幼なじみ〜first love〜
「ふぅ…俺にも食わしてくれや…」




さんざんみんなにコキ使われて、絢音たちのいる席に戻った。




「お疲れ様っ!まだいっぱい残ってるから食べて食べて…」




絢音が俺にハシと皿を渡す。




「………っ」




一瞬、絢音の表情から笑顔が消えた。




「どしたんや…?」




「この匂い……」




「…さすがやな。そうや…蒼にもろうた香水付けて来たんや…」




「そぉ…だったんだ」




絢音は、ムリして笑っているようにも見えた。




「蒼がアメリカへ行く前にな、ふと俺が“おまえ前から思っとったけど、ええ匂いすんなぁ〜”言うたんや」




蒼は、男のくせに気持ちわりぃこと言うなって…言ってたんやけど…




「アメリカ行く何日か前にな、半分ぐらいしか残ってへんけど言うて…俺にその香水くれたんや」




「そぉだったんだぁ…知らなかった」




「蒼のヤツ、“俺はアメリカ人っぽい香水に変える”って言うてたで?」




「蒼…バカだね…」




絢音が笑ってくれてよかった。
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