幼なじみ〜first love〜
すっきりと爽やかで、後に少し甘い香りが残る…蒼にもらった香水。




「この香水…幸せを運ぶっていう意味があるらしくてな、たぶん…それで俺にくれたんや…」




「そんな意味あったんだぁ…そっかぁ。でも…いい匂いだよね」




「ずっと飾って置いたんやけど、今日お好み焼きで服が臭くなる思うて、付けて来たんや…」




「ふふっ…そぉだねっ」




「絢音に、もろうた香水あげよか?」




「ううんっ!いいの…なんか蒼がいるような気がしただけ…ビックリしちゃった…。あっ!焦げてる!早く食べないと…」




「…そやな」




蒼がアメリカ行って

約8ヶ月



寂しいとか

会いたいとか


みんなの前で一切、泣き言

言わんけど……




きっと絢音は…

強くなろうとして




頑張ってんねやな……




匂いだけでわかるなんて




こんなにも…

いくら一緒にいても




そばにいるのは俺やとしても




君が想う人は

世界中でたったひとりだけ……――。
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