幼なじみ〜first love〜
「ママと結婚して、この家を買って…引っ越して来た日……」




隣の家に住む、水嶋家に挨拶に行った。




一目見た瞬間に思い出した。あの時の面影を残したまま、大人になった初恋の人。




隣の家の水嶋家の妻は、まさしくあの時の少女“みずほ”だった……




旦那が仕事が忙しく、家に帰って来なくて寂しいと…パパは、みずほの相談によくのっていた。




そうしているうちに、2人は身体の関係を持ってしまう…




蒼のお母さんは、パパにどんどん惹かれていった。




パパはママを愛しながらも、どこか寂しそうで不安定な蒼のお母さんをほっとけなかった。




2人の関係は何年か続いた……




「パパなんか嫌い…大っ嫌い……」




あたしは近くにあったクッションをパパに投げつけた。




「すまない…パパも後悔してる。絢音と蒼が生まれた時、約束したんだ。ただのお隣さんに戻ろうと…」




本当に最低な大人たちだと思った。




「でも蒼のお母さんは…今でもパパを想ってるようなメールだった」




想像しただけで、汚い、気持ち悪い。




「もぉいい…お願いだから、ママには絶対にバレないようにして」




「絢音…」




「無言電話もどうにかして…」




「無視していたのは、みずほさんに期待を持たせたくなくて、冷たくするしかないと思ったんだ。みずほさんと、もう一度話してみるよ…」




傷つくのは、あたしだけで十分。ママまでこんな思いさせたくない。




「でもあたしは…一生パパを許さないから……」
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