幼なじみ〜first love〜
あたしたちは、運ばれてくるイタリアンのコース料理を食べながら、久しぶりの再会を楽しんだ。




「2年も会ってなかった気がしないね…?」




あたしの素直な感想だった。




2年も会ってなかったから、うまく話せるか心配だったけど。




なんだか…普通に話せて、笑えてる……




「ますますカッコよくなったやろ?」




ニッと白い歯を見せて、満面の笑顔の遊也。




「はいはい…」




「呆れるなや…冗談やんか…」




相変わらずのお調子者。遊也……




でも…こうやってまた普通に話せるのは、遊也の人柄のおかげかもね……




「遊也は仕事…不動産会社の営業だっけ?」




「そうや。営業マンや」




周りはこうして、就職したり、学生だったり…みんなそれぞれの道を歩いてく。


気づかずに大人になってくんだな…って思う。




「仕事は順調?」




「まぁ…ぼちぼちやんな。絢音は?大学どうなん?」




「美々ちゃんと楽しくやってるよ」




「そうやろなぁ」




その時、遊也の目線は、あたしの左手を見ているのが明らかにわかった。




「まだ…しとるんやな」




恥ずかしい…違う。この気持ちは何て現せばいいのだろう。


慌ててあたしは、左手をテーブルの下の膝の上に乗せて隠した。
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