幼なじみ〜first love〜
瑠璃子ちゃんの病室では、涼介さんが、いとおしそうに赤ちゃんを抱いていた。




幸せそうな、涼介さん…


微笑み涼介さんを見つめる瑠璃子さん…




嫉妬、憎悪…汚い感情だけが私の心を支配した。




どうして、私はひとりなのだろう…




何故、夫と結婚したのだろう…




息子を抱きながら、涙を流した。




夜になると赤ちゃんは、小さなベッドに寝かされ、産まれたばかりの他の赤ちゃんたちと同じ部屋に移された。




瑠璃子さんが女の子を産んだ日の夜中、私は赤ちゃんたちが眠っている部屋に忍びこんだ。




自分の息子の頬をそっと撫でる…




その横のベッドには、涼介さんと瑠璃子さんの子供…




私は、恐ろしいことに、その女の赤ちゃんを殺そうとした。




けれど、できなかった。




そして私は、罪を犯した。




瑠璃子さんが産んだ女の赤ちゃんと、

別のベッドに寝ていた、全く知らない他人の女の赤ちゃんを






……取り替えた――。




そんなこととは知らずに、涼介さんと瑠璃子さんは、自分の子供として、育てていく…




その女の子の名前は、


“絢音”と名付けられ




とても愛された……――
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