幼なじみ〜first love〜

冬の早朝は


まだ漆黒の世界



まるで
あたしたちのような


小さな星屑たちが
まだ空に見えているの



真っ暗で冷たい世界に

光が照らされるのは



あと…どれくらい……―――?






白い吐息が空に消えてゆく。

凍えそうな身体を上下に揺らしながら、あたしは遊也の迎えを待っていた。




――……プップーッ…!!



車のクラクションと共に車のライトが眩しくこちらに向かってくる。




あたしの目の前に車は止まり、遊也は車から降りてきた。




「おはよーさんっ!」




遊也は今日も優しい顔であたしに微笑む。




「おはよっ」




「忘れモンとか、平気かいな…?」




「うん…っ」




「ほな、行こか!」




遊也はあたしが手に持っていた大きなバックを持ち、車のトランクの中に入れた。
車に乗り込むと外とは違い暖かった。助手席のジュースフォルダーには、まだ温かい缶のコーンスープが置いてあり、あたしの為に買っておいてくれたんだとわかった。




その缶で手を暖める。




「遊也、ありがと。これ」




「あぁ…寒いからなぁ」




結局、遊也に何も言えないまま…




今日は12月24日。世の中はクリスマスイブを迎えた。
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